新年を迎えるにあたって

 これは何だかお分かりでしょうか?

 これは、彼岸花です。今日は12月19日ですが、今はなおいっそう葉が生い茂っております。(写真は11月4日のものです)

 今年は遅かったのですが、10月初旬には赤白の花咲かせおりました。手前側が白の花で、奥が普段見慣れている赤の彼岸花です。白の彼岸花は今では珍しくもないのかもしれませんが、御門徒さんが合塔にお供えしてくださいと、鉢を持ってこられました。それを前住職が直植えにして現在に至ります。

 今年は花を咲かせないのかな、と心配しておりましたが、お彼岸頃にはニョキッと茎を出してきました。中国新聞の洗心欄で己斐の善法寺さんの坊守さんが記事にされるまで、その生態は把握していなかったのですが、球根か・・・なるほど、ということで花が咲き安心しました。しかし、その後葉が生い茂る事など私は疎いもので、坊守に確認したところ、「あなたそんなことも知らんかったん」と少し冷たい視線を浴びせられました。

 この御門徒さんは、父の中高の同級のお兄様にあたる方で、その同級生が三浦半島で駐日米兵による過失の事故により20歳で命を絶たれてからご縁を頂いたようです。いろいろと文言にすると××になる逸話も聞いておりますが、「事故に遭っても補償も何にもないん?」と父に聞いたところ、戦争に負けるということはそういうもんじゃ、と口を濁しました。

 今年は新型コロナウイルスの影響で、思うようにならない年でもありました。俯瞰的に後から振り返ってみたら、「ああすれば良かったじゃない」ということは見つかるかもしれませんが、この彼岸花を見ると理不尽な時代を生きてきた方の(それもごく最近)無念さも感じ取れます。

 自分が当たり前だと思うことが間違っているかもしれない、と寺社会(てらしゃかい)外の方々から指摘されたことも自分にとっては戒めにもなっています。何が正しいのか、うまく乗り越えられる人が正しいのか、よく分かりません。そういう混沌とした時代だからこそ、お念仏を大事に過ごしていきたいものです。 

合掌

KOUENJI,Hiroshima,Japan